施設にいる認知症の母への電話事情~二日に一度の電話で安心・安定~

施設にいる認知症の母に、2日に1度は電話を掛けるようにしています。いつもだいたい決まった時間、母が自室のベッドで寝る時間に掛けます。母の認知症はけっこう進んでいて、最近はかなり不思議ちゃんになっていますが、本人には電話は必要なことのようです。

親が施設にいる場合、対応は人それぞれだと思います。以下はあくまでも私の場合の話。参考例として記しておきます。

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母の状況はこんな感じ

電話先の母の調子は、落ち着いていたりダウナーになっていたりパニック気味だったりと、その日によって大波・小波があります。愚痴を聞いたりすることもありますが、だいたい同じルーティーンで思考がぐるぐる回っているようなので、悩みや心配事はいつも同じ内容です。

認知症の人の中には、電話をかけまくって相手を疲弊させてしまう人も多いと聞きます。その場合、電話する相手は家族だったり知人だったり、まちまちのようですが、母も入居する以前はそのような傾向がありました。

ちなみに母は千葉の実家の近くの施設に入っており、私は長野在住。実家には若干認知症ぎみの父が一人で住んでおり、弟一家が東京に住んでいます。

入居間もない頃の電話事情

施設に入った当初、車椅子生活の母は常に携帯電話を持って移動していました。最初の晩の夜中の1時に、

「部屋が暗くてナースコールが見当たらない。トイレに行きたい。」

と私に電話を掛けてきました。

日中も結構頻繁に掛けてきていました。実家で一人になった父にもかなり頻繁に電話を掛けていたのですが、父は早々に面倒くさがるようになりました。弟も電話に出ないので、母はたいてい私に掛けてきていました。

母が施設の個室に入居して2ヶ月ほど経った頃、夜中に部屋に入ってきた介護士に驚いてパニックを起こしました。父と私に掛けたのですが繋がらず、ついには110番に電話をしてしまいました。結果、携帯電話は没収となりました。

母はその後もずっと携帯電話を欲しがり、2ヶ月ほど経った頃から「らくらくホン」などの操作が簡単で通話先を限定できる携帯電話を与えました。

認知症に加えて軽度のパーキンソン病も患っている母は、しばらく携帯電話を手放している間に、操作方法を忘れてしまっていました。電話は掛けたがるのですが、ナンバーを押すのは難しいようで、以前使っていた短縮ダイヤル操作も忘れてしまっていました。

でも認知症特有の不安感とか承認欲求(自分を認めて欲しい)からなのか、電話は掛けたいのです。最終的にワンプッシュで私にだけ掛かるようにしたスマートフォンを用意して、ようやく落ち着きました。

携帯電話(スマホ)はベッドの横にケーブル挿しっぱなしで置いてあるので、ベッドに戻ってきた時にしか掛けられません。これ以上ないほど簡単操作で電話が掛けられるようになっていても、新しいことを覚えるのはハードルが高いようです。それでも月に1~2回ぐらいは頑張って自分で掛けてきます。

入居して半年ぐらい経った頃から、私の方から電話をするようになりました。最初はできるだけ毎日掛けていましたが、その後2日に一度くらいのペースに落としました。

母が夜ベッドに入ったタイミングで電話をします。私からの電話はiPhoneのFacetimeでの音声通話。自動着信設定ができるので、母がスマホを操作する必要がありません。自動でつながります。

認知症の親からの電話は大変

認知症の親からの電話で苦労している人は結構いるようで、「昼夜かまわず掛けてくるので困る」「よくわからないことを口走るので心配になる」というような声をよく耳にします。

母の場合、施設に入居する2年ほど前から、それまでにはなかったような電話をしてくるようになっていました。その頃は「平日の昼間に掛けてくるな!」みたいな感じでつっけんどんにしていたのですが、今思うと、あの頃すでに老老生活が限界に来ていたのでしょう。

やはり2年ほど前ですが、仕事で忙しい日の15時頃に「誕生日おめでとう」と電話が掛かってきた時には、さすがに「これはおかしいぞ」と思いました。

その頃の私は、親が認知症になるなんて想像もしていませんでしたから、「電話がうざい」としか感じていませんでしたが、認知症について知るにつれ、対応の仕方を考えるようになりました。

家族からの電話は必要

2日に一度ぐらいのペースでちょっとだけでも電話で話すことは、認知症の母の心の安定につながっているようです。

思考が混乱している母ですが、時々しみじみ口にすることがあります。

「7時まで待っていれば電話が掛かってくるとわかっていると、すごく安心する」
「声を聞くだけで落ち着けるので、ぐっすり寝られる」

そのうちにコミュニケーションがとれなくなる可能性が高いのであれば、やはりできるだけ今のうちに話をしておいたほうがいいのだろうと感じます。

昨日や今日のことは記憶に残らないのが認知症の特徴のようですが、電話で話すことで少しでも母の不安が解消されるのであれば、できるだけ電話をしてあげたいとは思います。

話をするというのは、認知症であっても無くても必要なことでしょうし。

あまり深刻に考えないほうがうまくいく

同じことが頭の中でグルグル回っているのなら、それを邪魔しないようにした方が、心の安定が図れるような気がします。

「明日来てくれる?」みたいな無茶振りに対して、最近は「わかった、行くよ」と返すようにしています。次の日に「待ってたのにどうして来なかったの?」と言われたことは一度もありません。

「この間あなたに渡された5万円、無くしちゃった」とか「○○さんに1万五千円借金したの」とか、お金がらみのことを言うこともあるので、「じゃあ探しとくね」とか「返しておくから大丈夫」と言うと、「安心した」「頼むね」と返事が返ってきます。

誰もが通る道かもしれないと思うと、まあ深刻に考えてもいいことはないな、と。

老老には期待できない

高齢の父は、早々に母の面倒が見切れなくなって「いち抜けた」をしました。会いに行くのも億劫がるようになり、電話もしなくなりました。

母が言うことはけっこう支離滅裂なのですが、高齢の父はそれをスルーすることができません。「それは違うだろ」「お前、何言ってんだ」状態になるので、コミュニケーションにならなくなっていました。この状態だと双方にストレスが溜まります。

入居した当初は、「週に2~3回ぐらいは会いに行ってもらって、電話ぐらいしてもらえれば助かる」と父に話していたのですが、途中であきらめました。もともとあまり面倒見の良い父ではないので。

実際に会いに行くのは月1回

月に一度は施設の方に出向きます。でも頻繁に電話で話しているためか、実際に顔を合わせて話をしても、雰囲気は電話で話をしている時とさほど変わりは無く、「もっと頻繁に会いに来て」みたいな感じにはなりません。けっこう頻繁に会っているような認識でいるようです。

なので、帰る時も「仕事行ってくる」「じゃあまたあとで」と言って帰ります。よく「帰り際が難しい」「泣かれるから嫌」という話も聞きますが、そういうことには全くなりません。この点は助かっています。

まとめ:電話はおすすめかも・・・

施設で過ごす高齢者の心が安定しているのは、家族にとっても施設側にとっても幸せなことです。もちろん本人にとっても。

定期的な電話だけで落ち着いて過ごしてくれるのなら、それはありがたいことであり、こちらの精神衛生上も好ましいこと。もしも不安定でお困りの場合は、電話環境を考えてみるのも一考の価値があるかもしれません。

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