湯温より体温がカギだった!? 疲労回復と免疫力向上のためのHSP入浴法とは

「江戸っ子は熱めの風呂が好き」という言葉を耳にしたことが一度くらいあると思うんだけど・・・あるとして、この言葉は江戸時代の人たちの気質を表したものとして知られている。

江戸っ子がホントに熱い湯が好きなのか調べるために都内の下町の銭湯を巡る企画などもあったりして、しかもホントに熱い銭湯がたくさん発見されたりしてるわけだけれど。

ぼくの知ってる銭湯は、それはもう熱くて有名で、熱い湯を好むお年寄りが集まる歴史の古い銭湯。慣れない人は足を入れるのも無理、ぐらいの凄さ。今もやってる。

でも、熱い風呂に入ることが健康にいい入浴法なのかは、ぼくには疑問だった。

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「熱い湯が好き」と言われた理由

江戸っ子の熱湯好き」、実は「別に好きで熱い湯に入ってたわけじゃないのかも・・・」という見解が多いらしい。理由として挙げられてるのは次の3つ。

1.江戸っ子は気が短くてせっかちなので、ぬるい湯にゆっくり浸かるのを好まず、熱い湯にさっと入ってさっと出る「からすの行水」を好んだ。

2.江戸時代は大火を防ぐため、幕府のお達しで「明けの六ツから暮れの六ツまで」しか火を使うことができなかったので、銭湯は午後六時に火を落としてからは余熱営業。そのため湯を思いっきり熱くしておくしかなかった。

3.江戸時代の銭湯は湯船に浸かる場所というよりは娯楽施設。ほとんど蒸し風呂のようなものだったため、湯の温度は高めだった。

江戸という町は現在の東京と同じように蒸し暑くて埃っぽいところだったので、みんな風呂が好きだったらしい。しかも幕府は家々に風呂を作ることを禁じていたので銭湯は必須だった。

諸説あるけど、少なくとも江戸時代の人たちは、熱い湯が身体にいいと思ったから熱い湯を好んだわけではない、というのが有力説。

熱い湯は身体に良いのか

日本人は、とかく風呂好きで通っているんだけど、風呂の温度ってのは熱い方が身体にいいのだろうか。

ぼくも20代の頃は熱い湯が好きだった気がする。我慢して入って、出た時の爽快感を楽しんでたような。でも、中高年になった今、がんばって熱い湯に入ったら命が危ないような気がする。

お医者さんはよく「ヒートショック」の危険性について言及している。特に寒い季節の温度差が良くない、と。

「ちゃんと肩まで浸かりなさい」って育てられてるものだから、大人になっても熱い湯に肩まで浸かる入浴作法を守り続けている。それが裏目に出るのか、温度差で心筋梗塞とか脳梗塞を起こすパターンが多いらしい。

まあ普通に考えたら、よほど身体が健康で丈夫ならまだしも、そうでなければ中高年の熱い風呂は怖いよね。血圧の急激な変動は心肺と血管に負担がかかり過ぎる。

ちなみに風呂での死亡事故は交通事故死の2倍以上、っていう統計もあるとか。

ぬるい湯は身体に良いのか

温泉施設では湯温を39℃にすると「ぬるい」と苦情が来るらしい。ぼくも39℃では入った気がしないと思う。

でもぬるい湯にゆっくり浸かる入浴方法を推奨する声もあるし、世の中には25~36℃ぐらいの冷泉というものも存在する。白骨温泉なんかが有名だ。ぬるい方がホントは身体にいいのかもしれない、と思うこともあるよね。

人間の身体は熱い湯に浸かると交感神経が活発になり、ぬるい湯に浸かると副交感神経が活発になるそうだ。ぬるい湯に入っているとリラックスして眠くなったりするのはそのせいかな。

ただ、ぬるい湯の場合はなかなか温まりにくい。温泉成分でも含まれていればその効果でぽかぽかしてくることもあるけれど、ぬるい湯は入っているうちにもっとぬるくなるし、風邪ひいたりしないか、湯冷めしないか、という心配ばかりしてしまう。

「ぬるめの湯にゆっくりと」を推奨する入浴法の場合、38~39℃あたりの温度で20分ぐらい浸かるというのが一般的。温度をしっかり維持し続けられるなら、これもありかなと思うけど、38℃スタートでも入る人の身体が冷え切っていたりしたら、20分後の湯温は35℃くらいになってたりして・・・。

あと、ぬるめの湯に長時間腰ぐらいまで浸かる半身浴ってやつがあるけど、あれはぼくのように寒い地方に住んでる人にはとってもできない。

究極の入浴方法とは?

で、ここからが本題。結局何度のお湯にどう入ればいいのか、よくわからなくなったところで最新の入浴方法が登場する。

最近新たに推奨されている究極の入浴方法というのが最近騒がれている。どんな入浴方法かって言うと、ヒートショックプロテインという物質を体内に生み出す入浴方法。頭文字をとってHSP入浴法と呼ばれている。

ヒートショックプロテインって何?

「ヒートショック?温度差が危険っていう、あれ?」と、ぼくは最初思ったけど、ヒートショックプロテイン(HSP)というのは、痛んだ細胞を修復するプロテイン(たんぱく質の一種)のことだそうだ。免疫細胞の活性化にも役立っているらしい。

そのまんま「熱ショックたんぱく質」なんて呼ばれたりもする。

身体の中にヒートショックプロテインを増やすことができれば、人間は元気で健康になれるという。疲れもとれるという。夢のような物質で、しかも無害で、お金もかからない。

疲労回復の救世主とも言えるヒートショックプロテインを生み出す方法は、意外と簡単。それは「体温を38℃まで上げる」だけでいいんだって。

ヒートショックプロテインはもともと身体の中に存在しているものなのだけれど、外部刺激を受けると生産が活発になる。その外部刺激というのは次のようなもの。

・紫外線を浴びる
・激しい運動をする
・加圧する
・低酸素状態になる
・体内温度が38℃以上になる

言うまでもなく、体温を38℃まで上げるためには体温よりも高い温度の湯に浸からなければならない。なので、理想的な温度は40~42℃とされていて、入っている時間の目安も定められている。

風呂温度が40℃なら、15~20分浸かる
41℃なら、10~15分浸かる
42℃なら、8~10分浸かる

適温は個人差がある

ここで注意しなければならないのは、体温を38℃まで上げるのが難しい人もいるということだ。

近年は低体温症の人が増えていて、平熱が35℃という人もざらだという。平熱が低めの人が38℃まで体温を上げるのと、平熱が36.5℃の人が上げるのとでは、心肺機能への負担が格段に違う。

だから、もしこの入浴方法を試すなら、最初は平熱プラス1.5℃を目指すのがいいらしい。

HSP入浴の仕方

温度の自動管理ができる風呂であることが望ましいけれど、自分で熱くしたりぬるくしたりするのなら、それはそれでOK。

まずは水分補給。通常よりも長い時間湯に浸かることになるので、汗をたくさんかく。水分は事前に取っておくことが必須。

入浴前に体温を測る。平熱なら問題ないけれど、熱が高いようなら中止する。低体温症の傾向がある人は特に、しっかり検温する。

なお、体温計は口にくわえるタイプ(口中用体温計)が望ましい。

体温計を口にくわえながら湯船に浸かる。っていうか、別にずっとくわえてなくてもいいんだけど、体温を測る必要があるからね。

体温が38℃(もしくは体温+1.5℃)になり、それを指定時間キープすることが要求されるので、顔が出る部分以外は風呂のふたで覆ってしまうといい。

体温はこまめに測ること。自分に適した湯温や、体温が38℃になるまでにかかる時間など、パーソナルデータを得ることで次回からの入浴がよりスムーズに行えるようになる。

長く浸かり過ぎてはダメ。温度に応じた目安時間を守ること。長ければ効果が高いというわけではない。

また、「42℃なら8分で済む」という時短を求めて江戸っ子になってもいけない。身体に負担を感じる温度では最適な効果は得られないので、体力に応じて無理なく入っていられる温度を選ぶこと。

そして出たあとも水分補給を忘れずに。ビールはダメ。

なお、長時間の入浴は肌を痛めることもあるので、敏感肌の人はボディクリームを塗るなどのアフターケアが必要。

なお、HSP入浴法については「週に2回、体温を38.5℃まで上げるために、42℃の湯に10分浸かる」というざっくりな説明をした文献もある。それはそれで、人によってはいいのかもしれないけど・・・。

効果のピークと耐性の発現

「こんなめんどくさい入浴方法、毎日できるか!」と抗議の電話を入れたくなると思うけれど・・・。そこは安心してほしい。毎日は行わないでも済むから。

ヒートショックプロテインの増加は入浴後に徐々に始まって、2日後くらいにピークを迎え、3~4日後までに元に戻ると言われている。そのため、この入浴方法は週に2回か、せいぜい3回でいいというわけ。

それ以外の日は普通に入浴すればOK。

「それでも、そんなのずっと続けられない!」という頑なな人には、さらに朗報が。

38℃のヒートショックプロテインの発生は、2~3か月ほど続けると耐性ができてしまうそうだ。耐性ができると、体温が38℃になってもヒートプロテインは増加しなくなる。効果ゼロでは悲しい。

なので、耐性が消えるまで2週間ぐらいお休みにする。そうすればまた効果を得られるようになるんだそうだ。耐性ってそういうものなのか・・・。

耐性ができたかどうかは、効果が感じられなくなることで分かる人もいるらしい。でも効果が明確でない場合は困ってしまうので、キリよく2か月続けたら2週間休む、とした方がいいかもしれない。

HSP入浴法で疲れにくい身体づくりを

ヒートショックプロテインには前述した「免疫力の向上」以外にも、「血行の促進」「代謝の促進」「疲労の早期回復」などのうれしい効能がたくさんある。ホント、味方につけたいよね、HSP。

これらの効果は「疲れにくい身体」「太りにくい身体」「老化しにくい身体」づくりをサポートしてくれるので、ヒートショックプロテインが中高年にとって最重要アイテムであることは言うまでもない。ダンジョンに落ちてたら絶対に拾っておかないと勿体ないレベルのもの。

慣れないうちはめんどくさいと思うかもしれないけれど、自分に合った温度と時間が分かってしまえば簡単。

そうは言っても家族と相談しないとできない人もいるかな。普段のからすの行水よりはずっと時間がかかるから。

なお、せっかく10分もお風呂に浸かっているのだから、ついでにできることを考えるのもいいかもしれない。おススメは目のストレッチだ。

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