多過ぎても少な過ぎてもダメ!疲れやすさの原因となる脂肪との上手な付き合い方

脂肪と名が付いたものは身体に悪いような印象があるけど、脂質は生命維持に必要不可欠だ。何と言ったってたんぱく質、炭水化物、無機質、ビタミンと並ぶ5大栄養素の一つなんだから。でも多すぎても少なすぎても困ったことになる、とっても扱いにくいやつだ。

一時は脂質を極端に制限する危険なダイエットが話題になったけれど、最近は見なくなった。偏るとロクなことがないってわかってきたからだ。でも太っている中高年というのは、こと脂肪や油に関しては極端に減らし過ぎるぐらいでちょうどいいのかも。

そんな気がしない?

スポンサーリンク

 


脂肪にもいろいろある

脂肪について知ろうとすると脂肪酸という言葉に出会う。そう言えば昔学校で「摂り込んだ脂肪は分解されて脂肪酸とグリセリンになる」って丸暗記させられたっけ。

脂肪酸というのは脂肪が分解された状態だってことだね。分解されていれば脂肪そのものの状態よりも消化吸収が早いのだろう。

でも脂肪酸にも魚,植物,動物と、由来によっていろいろな種類がある。

簡単に分解・吸収されやすいものとされにくいもの、という観点で比べると・・・。

分解されやすいのは魚の油とか植物性の油で、分解されにくいのは動物性の油

分解・吸収されやすいということは、分子構造が不安定で酸素と結びつきやすい(酸化しやすい)ということでもある。つまり、

酸化しやすいのは魚の油とか植物性の油で、酸化しにくいのは動物性の油

魚の油や植物性の油には、常温で液化するものが多い。こういうのは酸化しやすいから保存に気を付ける必要があるし、賞味期限も短いから新鮮なうちに使わないとダメってこと。

魚が肉よりも賞味期限が短いのも、えごま油が「開封したら冷蔵保存」って注意書きされているのも、酸化しやすいからなんだろうね。

で、何が違うかっていうと、簡単に言えば太りやすさだ。魚の油は分解・吸収されやすいので燃焼もしやすい、つまりエネルギーになるのが早いってことで、太りにくい。

動物性の油は分解に時間がかかるから体内に長く留まる。エネルギーになりにくいから太る原因になりやすい。

魚の油も古くなるにつれて分解されにくくなるし、そもそも燃焼する努力をしなければどちらも体内に溜まっていくことになるから、新鮮なものを摂ることと体を動かすことは必要になってくるわけだけど。

でも脂肪にもこういった違いがあるということは、頭に入れておいた方が良さそうだ。

脂肪を摂り過ぎるとどうなる?

さて、脂肪を摂り過ぎて体内に溜め込んでしまうと何が問題になるか。これはいろいろな方面から脅されているのでだいたいわかっていると思うけど、さまざまな問題が起こる。

余分に摂った脂肪が何も悪さをしないのならただの太った人で済むのだけれど、それだけではない。脂肪が血管や内臓,脳などに蓄積することで起こるいろいろな健康被害が問題なのだ。

内臓脂肪

内臓に溜まったものを内臓脂肪というけれど、この内臓脂肪からはいくつかの生理活性物質が分泌されるらしい。その中にはTNF‐α,PAI‐1,アンジオテンシノーゲンと言ったものが含まれる。

TNF‐αはインスリンの働きを抑制して血糖値を上げる。
PAI‐1は血栓をつくりやすくし、動脈硬化のリスクを高める。
アンジオテンシノーゲンは血圧を上昇させる。

どれもロクなことをしない。

中高年ってのは、どうやって内臓脂肪を減らすかを真剣に考えなければならない年代。出っ張ってるお腹は引っ込めなきゃいけないんだってば、マジで。

皮下脂肪は有酸素運動をすることで燃焼するけど、内臓脂肪を減らすのは食事制限しかないと言われてる。好きなものを毎日好きなだけ食べる無謀な年代は終わった、と腹をくくるのが近道かな。

あとは筋肉をつけて基礎代謝を上げるのも、太りにくい身体にするための一つの手だ。

血管のプラーク

血液中の脂質が悪玉コレステロールとなって血管壁に付着してしまったものをプラークという。

このプラークが多いと血液の流れが阻害されて、余計にプラークができやすくなってしまい、結果的に動脈硬化脳梗塞心筋梗塞などのリスクが高まるわけだ。

悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やせればプラークも分解できるというけど、簡単なことではない。食事制限と適度な運動を習慣化して、今までの不摂生を帳消しにするつもりでやらないと。

脳の脂肪

アルツハイマー病の脳には健康な人の脳に比べて、より多くの脂肪が蓄積しているらしい。2015年に行われたモントリオール大学病院研究センターの研究が明らかにしたのは、アルツハイマー病が脳性の代謝病である可能性が高いということ。

つまり脂肪を摂り過ぎなければアルツハイマー病の発症を防ぐことができるかもしれないわけだ。なんだ、防ぐ方法あるじゃん。

脂肪の摂り過ぎは全力で避けなければならない。飽食の時代を生きた現代人の義務だね、これは。

脂肪が不足するとどうなる?

では逆に、脂肪が不足した場合、身体にどのような影響があるのか。脂質を極端に抑えた食生活をしていると、何が困るのか。

体力の衰え・疲労

脂肪は重要なエネルギー源の1つだから、不足すれば元気がなくなる。体力が低下したり、疲れやすくなったり、いつもだるかったり。

最近疲れやすい、と感じている人は、ひょっとしたら無謀なダイエットに挑戦したりしてはいないだろうか。

ぼくも昔、激務の中で結果的に無謀なダイエットのような状況になって、突然の虚脱感に襲われた上に足がむくんで大変だったことがある。病院に行ったら「最近食事を簡単なもので済ませてない?」って言われた。ちゃんと食べたら治ったけど、両足がパンパンにむくんだ時には痛くて歩けなかったっけ。

記憶力や集中力の低下

脂肪を抑えるとカロリー不足になり、脳に栄養が行き届かなくなる。脳機能は低下するので忘れっぽくなったり、物事に集中できなくなったりする。これはまずい。ぼくなんか中高年になって、ただでさえ忘れっぽくなってるし、集中力もなくなっているのに・・・。

肌が荒れ、張りがなくなる

改めて言うまでもないことだけれど、肌には一定量の脂質が必要。肌のつやを内側から保っているのが脂質なので、不足すると肌の弾力がなくなるし、外部からの刺激に弱くなるから肌荒れが進む。

男性でも女性でも肌の美しさは重要。ガサガサ肌でうれしい人はいないし、不健康でつやの無い肌を見て好意的に感じる人も少ないと思う。

精神の不安定

脂肪の不足が精神に悪影響を及ぼす、という見解も多い。

脂質が不足すると体温の維持が困難になるため、交感神経が過敏になり精神不安を起こすという。

また、セロトニンなどのホルモンをつくるためには脂質が必要であるため、脂質不足が神経細胞の維持に影響を及ぼし、うつ傾向になるという話も。

5大栄養素であるわけだから、極端に減少すれば何らかの機能障害が起こるのは当然かもしれない。

身体にいい脂肪の摂り方って?

とにかく脂肪は多くても少なくてもいいことなし。適度に摂り込まないとダメだよ、ってことだ。調べてみてぼくにもそれはよくわかった。

適度ってとこが重要で、動物性脂肪のおいしさに屈して際限なく摂り過ぎてしまうと、とんでもないことになる。植物性の油の方が体に残りにくいので安心だということもわかった。

細かいこと考えるのが面倒だったら、魚中心の生活に切り替えること。これがいちばん悩まなくて済む気がする。

牛肉・豚肉・鶏肉や、バターやラード、油で揚げた食品などをできるだけ控えるようにして、サバアジなどの青魚とか、マグロカツオを中心とした献立にするのがいちばん手っ取り早いみたい。

でもそれだけでは本質的な部分がよくわからないままなので、自分の身体について真剣に考えたければ、脂肪酸についても詳しく学ぶ必要がありそうだ。

脂肪酸についてもっと詳しく・・・

で、ここからはぼくが、脂肪酸についてもっと詳しくなりたいと思って調べたこと。細かいことまではいいや、という人は飛ばしちゃってOK。ぼくは個人的にこの手のジャンルが嫌いじゃないもので・・・。

脂肪酸について調べると、「飽和」「不飽和」とか「ω(オメガ)」とか「二重結合」とかいう聞き慣れない(あるいは、習ったけど忘れちゃった)言葉が当たり前のように出てくるので、なかなか厄介だ。

まず、脂肪酸が分子構造の安定性をもとに分類されていることから。

飽和・不飽和、二重結合、オメガのこと

分子構造が安定しているってのは、脂肪酸を構成している炭素,水素,酸素など分子のうち、炭素同士がどのように結合しているかによって決まる。たぶん高校あたりの化学で習ったと思うんだけど、ぼくはすでに忘れてしまっていた。

簡単に言うと炭素(C)は4本の足を持っていて、それぞれの足に分子が1つずつくっついていれば他の分子と結合する余地がないので安定している。でも炭素の足が1つの分子に2本でつながっている場合もある。これを二重結合と呼んでいるのだけれど、この場合、一方の足が他の分子を捕まえて結合する気満々の状態なので不安定だというわけ。

単純に考えると、二重結合部分が酸素と結びついてしまえば酸化してしまうことになる。

分子構造が安定していて酸素と結びつきにくいものを飽和脂肪酸、構造が不安定で酸素と結びつきやすいものを不飽和脂肪酸と呼ぶ。

で、構造式にした時に右から何番目の炭素(C)に二重結合があるかでオメガ(ω)ナンバーを付けて分類している。3番目ならオメガ3脂肪酸6番目ならオメガ6脂肪酸という感じで。

安定している脂肪酸は常温で固まり、日持ちも効く。それに対して不安定な脂肪酸は常温では液化しているものが多く、酸化しやすいので日持ちも効かない。

不安定なものほど分解・吸収が早いからすぐにエネルギーになり、身体に蓄積しないので太りにくい。安定しているものは分解されにくいから身体に蓄積されやすいので肥満のもとになる。

不安定な不飽和脂肪酸を新鮮なうちに摂るのが身体には良いとされ、分解されにくい飽和脂肪酸はあんまり積極的に摂らないようにと言われてるのは、このような理由からだ。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

ややこしい話になってしまって調べ始めたことを後悔したのだけど、途中で投げ出せないからもう少しだけ。

二重結合の数が何か所あるかで脂肪酸を分類すると、飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸に分けられる。

二重結合が0のものが飽和脂肪酸。
二重結合が1つのものが一価不飽和脂肪酸。
二重結合が複数個所あるものが多価不飽和脂肪酸。

飽和脂肪酸は主に牛・豚・鶏などの動物の脂肪から、不飽和脂肪酸は主に魚や植物の脂肪から多く摂取される。厳密には、飽和・不飽和の両方が入り混じってるので、割合として多いか少ないかという話みたい。

飽和脂肪酸は体内でも合成できるため、敢えて摂る必要はないという話。

飽和脂肪酸にも短鎖脂肪酸中鎖脂肪酸長鎖脂肪酸の3種類があり、この中で長鎖脂肪酸だけはとり過ぎるとコレステロールや中性脂肪の増加につながり、健康を害する恐れがあるとして注意が促されている。

悪役にされがちな飽和脂肪酸にも3種類あって、長鎖脂肪酸だけはやっぱりヤバいらしい。

不飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸多価不飽和脂肪酸があるんだけど、前述したように分子構造の特徴から頭にω(オメガ)を付けて分類されている。ω-3,6,7,9,10というふうに。

一価不飽和脂肪酸の代表はオメガ9脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の代表はオメガ3脂肪酸オメガ6脂肪酸だ。

それらの中でもオメガ3脂肪酸オメガ6脂肪酸は、体内で作り出すことができない脂肪酸。これらは必須脂肪酸と呼ばれていて、健康維持のために適切な量を食品から摂取し続ける必要がある。

ちなみにω-3,6脂肪酸はn-3,6系脂肪酸と呼ばれることもある。そう記してある説明書やサイトもある。

理想的な脂肪酸比率の指標としてSMP比というものが定義されている。それによると体内における脂肪酸の割合は

【 飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸 = 3:4:3 】

であることが望ましいとのこと。

さらに、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の摂取比率は1:1から1:4が望ましいとされているそうだ。

割合ってのはこの手の話には登場しがちだよね。3:4:3なんて、実現するのはなかなか難しそう。でも指標があるということはわかった。

具体的には何を摂ればいいの?

近年、健康維持に最適と言われている食用油は次の通り。

<飽和脂肪酸(中鎖脂肪酸)が多い油>
ココナッツオイル
<一価不飽和脂肪酸が多い油>
オメガ9脂肪酸・・・オリーブオイル
<多価不飽和脂肪酸が多い油>
オメガ3脂肪酸・・・えごま油,亜麻仁(アマニ)油,しそ油,魚油
オメガ6脂肪酸・・・ごま油,グレープシードオイル,紅花油
ややこしい話なので図にしてみた。こんな感じ。

上の図の中で、積極的に摂りたいものはω-3とωー6脂肪酸で、亜麻仁油,えごま油,しそ油,魚油,ヒマワリ油,紅花油,グレープシードオイルということになる。他にも該当する油は存在すると思うけど、一般的に手に入りやすいものになると限られる。

なお、表には入ってないけど、身体に悪い脂肪酸の代表としてトランス脂肪酸というものが存在する。トランス型不飽和脂肪酸というのが正式だけど、こいつは最近の脂肪界では悪役ナンバーワンだ。

マーガリンに代表されるこの油は、長年に渡り日常的に使われてきたものなんだけど、近年では健康上好ましくない脂肪酸として注意喚起されている。アメリカでは全面的に使用禁止される方向で法改正が進んでいる。

トランス脂肪酸は自然界にもちょっとは存在するらしいけど、主に人工的に作られた油。植物油を200℃以上の高温で処理して作られるもので、体内の酸化を促進しやすく、生活習慣病予防やアンチエイジングの分野では大敵とされている。

とにかく急にバターよりマーガリンの方が身体にいいよ、って話になった。学校の給食にもさんざん使われていたのに、今更である。後からわかるってこともいろいろあるから仕方ないけれど。

最近の日本のマーガリンは、メーカーが頑張ってトランス脂肪酸を10分の1まで減らすことに成功したりしてるので、海外の基準よりは安心かもしれない。

高値になりがちなバターの代用品としてマーガリンを使う食品が多いので、食べる側としては避けようがない。少しでも安心な製品のほうがうれしい。

日常の食事では、炒めたり焼いたりするのに使う油をオリーブ油ヒマワリ油などにする人が増えてるみたい。匂いが気にならなければココナッツオイルで炒めるとかもありだ。

ココナッツオイルをコーヒーに入れて飲む人も多いね。ミルク代わりになる。ぼくもよくやるけど、あれはけっこう美味しい。

一般の料理用サラダ油よりも値段が高いのはやむを得ないと思う。毎日使うものは逆にケチってはダメだ。

魚油もマグロトロ油とかDHAオイルとか市販されてる。これらはかなり高いけど、ちょっと使ってみたい気もする。

特に魚の油に含まれるEPAとDHAは、身体にとって必須な脂肪酸。効率良く摂るにはサプリメントが手軽だ。EPA・DHAに亜麻仁油をブレンドしたオメガプラスなども注目されている。

上手に付き合うのが解決策

脂肪は必要。でも余分には必要ない。多くても少なくても身体に異変が起こる。適度に保ってなければ、どのみち不具合や疲労の原因になる。

でも肉は適度に油があった方がおいしい。ぼくはロースよりカルビの方が好きだ。ノンオイルのものってなんだか味気ない気がするし、たまには天ぷらもとんかつも食べたいし。

脂肪と上手に付き合うためには、脂肪のことをよく知らなければならないし、オイルの種類と効能を理解した上で使い分けることが大事みたいだ。

これはまだまだ勉強する必要がありそうな分野だね。奥が深いというか。

スポンサーリンク

 


シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク