先日テレビを見ていたら、健康番組で「SODが心臓を柔らかくする」という話をしていました。
その番組では「SOD=心臓柔らか物質」と紹介していましたが、加齢によって固くなり、本来の循環機能を果たしにくくなってきた心臓を、元のように柔らかくしてくれるというSODとは、本来は別のことで有名な物質なのです。
今注目のSODって何?
最近はSODという名前がいろいろなところに登場するようになりました。正式名称は「スーパーオキシドディスムターゼ」といいますが、何となく発音しづらい名前なのでSODで済ませているようです。
SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)というのは、体内の活性酸素を分解してくれる酵素とです。一般にSOD酵素の活性が高い動物ほど長生きをすると言われており、人やサルなどの霊長類では特に活性が高いことがわかっています。
SOD酵素が注目されている理由は、活性酸素のコントロールがアンチエイジングの第一の課題であり、そのために最も重要な役割を担っている存在だからです。
必要悪の存在「活性酸素」
活性酸素は細胞を傷つけ、身体を老化させる酸素毒だと言われてきました。もとは呼吸によって体内に取り込まれた酸素です。それが突如バーサーカーモードに突入して活性酸素になります。
一旦バーサーカーになると手が付けられません。体内で遭遇した対象物なら、相手が有害物質だろうが健康な細胞だろうが、見境なく攻撃をしかけるという厄介な性質があります。
近年ではいろいろと研究が進む中で、
「活性酸素が老化や病気の原因を作る」
という説と
「老化に活性酸素は関係ない」
という説が拮抗するようになってきました。
活性酸素を100%除去できれば健康になれるのかというと決してそうではなく、活性酸素が無ければ有害物質を攻撃する存在がいなくなってしまうため、逆に生命の維持が難しくなります。
白血球が血液中の有害物質を消化するのにも活性酸素を利用して殺菌消毒していると言われています。やはり活性酸素は扱いが難しいながらも、身体にとって必要な存在、必要悪なのです。
SODを増やすといいことがある
しかしながら必要悪だとは言っても活性酸素が細胞を攻撃して傷つける存在であることは事実です。それを分解してくれるSOD酵素が体内に多いほど、
細胞が傷つかなくて済む=健康でいられる
ということになります。
SOD酵素は活性酸素の除去以外にも、次のような効能で注目されることがあります。
・血管壁についたプラークの除去を促す
・手指末端冷え性の改善サポート
・しみ、しわ、そばかすの緩和軽減をサポート
SOD酵素は増やせるものなら増やした方がいいのは、間違いないようです。
SODを増やすためには
テレビで紹介していたのは、熱海に住む高齢者の身体にはSOD酵素が多いという話でした。熱海は日本でもっとも坂道の多い街だそうで、日常生活で自然に足腰が鍛えられていることがSODの増加に関係しているとのことでした。
SODを増やすには、
・筋肉量を増やすこと
・SODに似た成分を持つ食品を摂取する
・SOD酵素の産生をサポートする食品を摂取する
以外に方法はありません。
実はSOD酵素そのものは分子サイズが大きいため、外部から体内に摂り入れても吸収されません。そのため、SOD酵素配合のサプリメントなどには「SOD様作用食品」とか「SODに近い効能を持つ食品を原料にして」というただし書きがついています。
熱海の人たちのように適度な運動習慣を身につけ、足腰を鍛え、SODに近い効能を持つ食品を摂り入れることで、体内のSOD酵素を増やせば、活性酸素に負けない身体づくりができると思います。
まとめ
SOD酵素は活性酸素を分解・除去する働きを持っている素晴らしい酵素ですが、残念ながら歳をとるにつれて体内で産生される量は減少していきます。
人は生きている限り、活性酸素の攻撃を受け続けなければなりません。特に中高年のぼくたちはSOD酵素をどうやって増やすかを真剣に考え、良いと思う方法を日々実践していくことが重要ではないでしょうか。