「にぐるま ひいて」/大人におすすめのイチオシ絵本

大人にこそおすすめしたい絵本。その一つが『にぐるま ひいて』という作品です。

シンプルなタイトルからは想像もつかない、一家ののどかな暮らしを描いた素敵な物語。19世紀初めのアメリカで、ニューイングランド人の家族が過ごす1年を淡々と語っているだけなのに、どういうわけか強烈に心に残ります。

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ストーリー

とうさんは10月になると、牛をつないだにぐるまとともに10日間かけてポーツマスの市場へ向かいます。

にぐるまにはとうさん、かあさん、娘、息子が1年かけて作ったり育てたりしたものが何もかも載せられています。とうさんはそれらの荷物、牛、にぐるまを全て市場で売り、家族にお土産を買って帰ります。

冬の間にとうさんは新しい荷車をつくり、かあさんはあまをリンネルに仕上げ、娘はリンネルに刺繍をし、息子は白樺からインディアン風のほうきを作ります。そしてみんなでろうそくをつくったり、カエデの蜜で砂糖を作ったりします。

春にはジャガイモやキャベツを植えます。リンゴの花が咲き、ミツバチが蜜を作り始めます。

こうして一家は力を合わせていろいろな、また10月にとうさんが市場へ売りに行きます・・・。

作品について

19世紀初頭のニューハンプシャー州の農家の一年について描いた物語。作者のドナルド・ホールは優れた詩人として知られ、この作品ももともとは詩作品として発表したものを児童向けに加筆修正したそうです。

絵を担当したバーバラ・クーニーさんは本作品で1980年のコールデコット賞を受賞しています。

作者について

作:ドナルド・ホール

作者のドナルド・ホールさんはアメリカの詩人、作家、編集者、文芸評論家。児童文学、伝記、回想録、随筆、詩集など、様々なジャンルにわたる50冊以上の著書があります。スタンフォード大学、ベニントン大学、ミシガン大学で教鞭をとり、執筆の研究と技術に多大な貢献をしました。

長年の功績を認められて、2010年にバラク・オバマ大統領からアメリカ国家芸術賞を授与されました。

ホールさん本人による朗読がYoutubeに公開されています。

絵:バーバラ・クーニー

アメリカ人の児童文学作家、イラストレーター。生活感のある牧歌的な情景を描くことで知られています。

『チャンティクリアときつね』で1959年に、『にぐるまひいて』で1980年にコールデコット賞を受賞、『ルピナスさん ― 小さなおばあさんのお話』で1983年に全米図書賞を受賞しています。バーバラ・クーニーさんが在住したメイン州の図書館協会は、優れた児童書を執筆した在住作家に贈られる第1回ルピナス賞を授与。12月12日を”バーバラ・クーニーの日”と制定しました。

訳:もき かずこ

翻訳家・作家のもきかずこさんは、『めぐりめぐる月』『ドラゴン・キーパー』『にぐるまひいて』『エマおばあちゃん』『ハートビート』『アボンリーへの道』などの訳書を著しています。創作絵本も手掛けており『くまのまうるとおばけもり』『たんていねこはかせ』などがあります。

深掘り情報

本書のあとがきにもありますが、ホールさんは自署のエッセイの中で、従兄弟のポール・フェントンが詩のもとになった物語を語ったことを回想しています。従妹は子供の頃にこの話を聞いたと言い、「ある老人がこの話をしてくれて、その老人も自分が子供のころ老人からこの話を聞いた」といっていたそうです。

絵本になる前の元の詩では登場人物は独り身の男性で、家族がいないので針もナイフも鍋も買いません。

ホールさんは数十年の間、祖父の家だった1803年築のニューハンプシャーの農家に家族で住んでおり、祖父の思い出や日常的に目にする風景が本作品に現れていると思われます。

晩年に書かれたエッセイ『死ぬより老いるのが心配だ』にも祖父のことや家から見える風景のことが記されています。

関連グッズ・関連施設

関連施設はありません。

作品の感想・口コミ

「”風は見ていて、誰が信用できるかちゃんと知っている”という言葉が心にズンと響く。」

「自然と共に暮らしている人たちの心の素直さと強さ。その理由が少しだけわかったような気がした。」

「物質的には恵まれていても心の貧しい人たちと、最小限の暮らしをしていても心の豊かな人たちがいる。昔も今も、日本でもアメリカでも同じ。」

作品情報

書名 にぐるま ひいて
作者等 作:ドナルド・ホール
絵:バーバラ・クーニー
訳:もき かずこ
出版社 ほるぷ出版
発行年月 1980年10月

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