国際アンデルセン賞は、1956年に国際児童図書評議会(IBBY)によって創設された、児童文学における最も権威ある国際的な賞の一つです。この賞は児童文学への永続的な貢献を評価して授与されるもので、児童文学のノーベル賞とも呼ばれています。
作家賞と画家賞の二部門があり、作家賞は1956年から、画家賞は1966年から授与されています。審査は2年に一度、西暦偶数年に行われます。
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国際アンデルセン賞「作家賞」受賞者と主な作品
以下に、歴代の作家賞受賞者を年代順にまとめます。
年度 | 受賞者名(国) |
---|---|
1956年 | エリナー・ファージョン(イギリス) |
1958年 | アストリッド・リンドグレーン(スウェーデン) |
1960年 | エーリヒ・ケストナー(西ドイツ) |
1962年 | マインダート・ディヤング(アメリカ) |
1964年 | ルネ・ギヨ(フランス) |
1966年 | トーベ・ヤンソン(フィンランド) |
1968年 | ジェイムス・クリュス(西ドイツ)、ホセ・マリア・サンチェスシルバ(スペイン) |
1970年 | ジャンニ・ロダーリ(イタリア) |
1972年 | スコット・オデール(アメリカ) |
1974年 | マリア・グリーペ(スウェーデン) |
1976年 | セシル・ボトカー(デンマーク) |
1978年 | ポーラ・フォックス(アメリカ) |
1980年 | ボフミル・ジーハ(チェコスロヴァキア) |
1982年 | リギア・ボシュンガ・ヌーネス(ブラジル) |
1984年 | クリスティーネ・ネストリンガー(オーストリア) |
1986年 | パトリシア・ライトソン(オーストラリア) |
1988年 | アニー・M・G・シュミット(オランダ) |
1990年 | トールモー・ハウゲン(ノルウェー) |
1992年 | ヴァージニア・ハミルトン(アメリカ) |
1994年 | まど・みちお(日本) |
1996年 | ウーリー・オルレブ(イスラエル) |
1998年 | キャサリン・パターソン(アメリカ) |
2000年 | アナ・マリア・マシャド(ブラジル) |
2002年 | エイダン・チェンバーズ(イギリス) |
2004年 | マーティン・ワッデル(アイルランド) |
2006年 | マーガレット・マーヒー(ニュージーランド) |
2008年 | ユルク・シュービガー(スイス) |
2010年 | デイヴィッド・アーモンド(イギリス) |
2012年 | マリア・テレサ・アンドゥルエット(アルゼンチン) |
2014年 | 上橋菜穂子(日本) |
2016年 | 曹文軒(中国) |
2018年 | 角野栄子(日本) |
2020年 | ジャクリーン・ウッドソン(アメリカ) |
2022年 | マリー=オード・ミュライユ(フランス) |
2024年 | ハインツ・ヤーニッシュ(オーストリア) |
日本人作家としては、まど・みちお氏(1994年)、上橋菜穂子氏(2014年)、角野栄子氏(2018年)が受賞しています。
国際アンデルセン賞「画家賞」受賞者と主な作品
続いて歴代の画家賞受賞者を年代順にまとめます。
年度 | 受賞者名(国) |
---|---|
1966年 | トーベ・ヤンソン(フィンランド) |
1968年 | マウリ・クンナス(フィンランド) |
1970年 | エドワード・アーディゾーニ(イギリス) |
1972年 | イリーナ・コルシュノフ(ドイツ) |
1974年 | アリス・プロヴェンセン、マーティン・プロヴェンセン(アメリカ) |
1976年 | アントニー・ブラウン(イギリス) |
1978年 | スヴェン・オットー・S(デンマーク) |
1980年 | 赤羽末吉(日本) |
1982年 | ズデネック・ミレル(チェコスロバキア) |
1984年 | 安野光雅(日本) |
1986年 | ロバート・イングペン(オーストラリア) |
1988年 | ドゥシャン・カーライ(チェコスロバキア) |
1990年 | リスベート・ツヴェルガー(オーストリア) |
1992年 | クヴェータ・パツォウスカー(チェコ) |
1994年 | イブ・スパング・オルセン(デンマーク) |
1996年 | ヴォルフ・エァルブルッフ(ドイツ) |
1998年 | トミー・ウンゲラー(フランス) |
2000年 | アンソニー・ブラウン(イギリス) |
2002年 | クヴィエタ・パツォウスカー(チェコ) |
2004年 | マックス・ベルジュイス(オランダ) |
2006年 | ヴォルフ・エァルブルッフ(ドイツ) |
2008年 | ロベルト・インノチェンティ(イタリア) |
2010年 | ジュッタ・バウアー(ドイツ) |
2012年 | ピーター・シス(チェコ) |
2014年 | ロジェ・メロ(ブラジル) |
2016年 | ロートラウト・スザンネ・ベルナー(ドイツ) |
2018年 | イーゴリ・オレイニコフ(ロシア) |
2020年 | アルベルティーヌ(スイス) |
2022年 | スージー・リー(韓国) |
2024年 | シドニー・スミス(カナダ) |
日本人画家としては、赤羽末吉氏(1980年)と安野光雅氏(1984年)が受賞しています。
このように、国際アンデルセン賞は世界中の優れた児童文学作家を顕彰しており、日本人作家もその中で高く評価されています。