ETC2.0は本当にお得?これから導入する場合のメリット・デメリット

自家用車で高速道路を走るときに欠かせないのがETC。キャッシュレスで通行料金を支払えるので便利ですね。ETCの規格には2001年に運用が開始された従来型のETC1.0と、2016年に登場したETC2.0の2種類があります。

ETC2.0は、従来のETCシステムをさらに進化させた次世代の交通システムです。これからETC2.0の導入を検討されている方に向けて、その主なメリットとデメリットをソースに基づいて解説します。

本当にお得かどうかは人によって異なるかもしれません。

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ETC2.0のメリット

ETC2.0には、従来のETCにはない様々な利点があります。

運転支援サービスの向上

ETC2.0は従来のETCよりも多くの情報を通信できるため、リアルタイムの渋滞情報や事故情報を提供し、運転中の安全性を高め、よりスムーズな移動を可能にします。ETC2.0対応のカーナビと連携することで、広域的な渋滞情報や事故多発地点の情報も受け取れます。カーナビとの連動により、音声案内や画像情報も提供され、運転の安全性がさらに向上します。

料金の割引

特定の区間では通行料金が約20%割引になる制度があります。また、高速道路から一時退出しても、特定の条件を満たせば再入場時に追加料金が発生しないため(長距離割引もそのまま)、長距離移動中の休憩が取りやすくなります。

災害時の情報提供

地震発生時などに通行可能な道路や避難情報を迅速に伝えることができ、災害時にも役立ちます。

交通管理の効率化

交通データを集めて分析することで、交通渋滞の緩和や事故の減少に貢献し、道路の利用効率を向上させます。

カーナビやスマートフォンとの連携

ETC2.0対応のカーナビやスマートフォンと連携することで、さらに多くの機能を利用できます。スマートフォンとBluetooth接続すれば、ナビアプリの利用やETC2.0情報の確認がより便利になります。

ETC2.0とカーナビの連携による情報

渋滞情報: ETC2.0は広範囲の渋滞情報をリアルタイムで取得し、カーナビに表示します。これにより、運転者は前方の渋滞を事前に把握し、迂回ルートを選択することができます。

天候情報: 雪や霧などの悪天候情報もカーナビに表示され、運転者は事前に注意を払うことができます。例えば、トンネル内の渋滞や悪天候の情報がポップアップで表示されることがあります。

事故情報: 事故発生時の情報もカーナビに提供され、運転者は安全なルートを選ぶための参考にできます。これにより、事故による渋滞を避けることが可能になります。

災害情報: 災害が発生した際には、その状況や避難情報などもカーナビに表示され、迅速な対応が可能になります。

料金情報: ETC2.0を利用することで、高速道路の通行料金がカーナビに表示され、運転者は料金を事前に把握することができます。また、ETCカードの未挿入や料金所の案内も行われます。

走行履歴: カーナビは走行位置の履歴や急な車両の動きの履歴を記録し、これを基にした情報提供が行われます。これにより、運転者は過去の走行データを参考にすることができます。

信号通過支援: 光ビーコンから受信した信号情報を基に、カーナビは運転者に推奨速度を表示します。これにより、運転者は交差点をスムーズに通過できるようになります。例えば、青信号で通過できるタイミングを知らせることで、無駄な加速や減速を避けることができます。

赤信号減速支援: 直近の信号が赤信号に変わるタイミングを予測し、運転者に早めにアクセルを戻すよう促します。これにより、交差点間近での急な減速を防ぎ、より安全な運転を実現します。

発進遅れ防止支援: 信号が青に変わる直前に、運転者にその情報を通知します。これにより、信号が青になった際にスムーズに発進できるようサポートします。

これらの情報は、ETC2.0の車載器とカーナビが連携することで、より安全で快適なドライブを実現するために活用されています。運転者はリアルタイムの情報をもとに、より良い判断を下すことができるようになります。

一時退出時の「賢い料金」制度

ETC2.0を搭載した車両が、指定されたインターチェンジから退出して指定された道の駅に立ち寄り、2時間以内に同じインターチェンジから再入場するなどの条件を満たすと、再入場時の初乗り料金(約150円+消費税)が免除されます。一時退出しても、長距離を連続して走行した場合に適用される長距離逓減割引も継続されるため、長距離ドライバーにとって非常にお得になります。

ETC2.0のデメリット

多くのメリットがある一方で、ETC2.0にはいくつかのデメリットも存在します。

初期費用が高い

ETC2.0を利用するためには専用の車載器が必要です。この車載器の価格は2万円から5万円程度で、取付工賃も別途必要です。従来のETC車載器が約1万円から1万5千円程度なのに対し、ETC2.0の初期費用は従来のETCより約1万から2万円程度高くなります。頻繁に高速道路を利用しないドライバーにとっては負担となる可能性があります。

※地域によっては助成金制度もあります。

割引の適用範囲が限られている

ETC2.0による料金割引は、主に圏央道や東海環状自動車道など特定の高速道路に限られています。これらの道路を利用しないユーザーは、割引の恩恵が少なくなります。

⇒ETC2.0割引(圏央道・新湘南バイパス)

⇒ETC2.0割引(東海環状自動車道)

スマートフォンやカーナビとの連携が望ましい

機能をフルに活用するためには、対応するカーナビやスマートフォンとの接続が必要です。これにより、機器の互換性や設定の手間が増えることがあります。対応カーナビは必須ではありませんが、連携しない場合はETC2.0のメリットは薄れます。

バイク利用者へのメリットが少ない

バイクの場合、ETC2.0の導入メリットが四輪車より薄くなります。特に、渋滞情報や災害情報などの安全運転支援機能がバイクには適用されないため、利用価値が限られます。

ETC2.0の恩恵を受けられないケース

以下のような場合、ETC2.0の恩恵を十分に受けられない可能性があります。

・ETC2.0割引対象の特定区間を利用しない人。
・一時退出制度(指定ICからの退出、指定道の駅への立ち寄り、2時間以内の再入場など)を利用しない人。

古いETC車載器に訪れる「2030年問題」

「現行のETC1.0で十分」という人も多いと思いますが、ETC車載器が古すぎると2030年ごろに使えなくなる可能性があります。

2030年頃にETCのセキュリティ規格が変更される可能性が高く、ETC1.0でも2.0でも関係なく規格の古い車載器ではサービスを利用できなくなる恐れがあります。これは「2030年問題」と呼ばれています。

今現在使用している車載器が古いセキュリティ規格のものに該当するかどうかは、車載器やアンテナに刻印されている〇〇〇マークの有無や、付属書類に記載されている車載器管理番号の頭の数字で確認できます。

⇒新旧セキュリティ規格対応車載器の識別方法(国土交通省)

近々に車載器を交換する予定がある人は、間違っても古い規格のものを取り付けないように注意する必要があります。

ETC車載器を新調する場合は、1.0と2.0のどちらにするかを自分の使用状況に鑑みて判断しましょう。

まとめ

ETC2.0は、運転支援や料金割引、災害時の情報提供など多くのメリットを提供し、カーナビやスマートフォンとの連携で安全性や快適性がさらに向上します。特に、一時退出しても追加料金がかからず、長距離割引が継続される「賢い料金」制度は大きなメリットです。

しかし、初期費用が高いこと、割引の適用範囲が限られていること、導入に手間がかかるなどのデメリットも考慮する必要があります。また、ETC2.0の恩恵を受けるには、対応する車載器やETCカードが必要であり、特定の条件を満たす必要があります。

これらの要素を総合的に判断し、ご自身の利用スタイルに合った選択をすることが重要です。

ちなみに2030年までに高速道路がETC専用道路になるという話も・・・。未だにETC車載器を付けていないという方も、そろそろ検討してみてもいいのではないでしょうか。

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