「モチモチの木」/大人におすすめのイチオシ絵本

大人にこそおすすめしたい絵本。その一つが『モチモチの木』という作品です。

「モチモチの木」は絵も好きだが、登場するじいちゃんの言葉が好き。
じいちゃんらしくて、朴訥(ぼくとつ)としている。
トチモチの木の話しで、なつかしさを感じる部分も。

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ストーリー

峠の猟師小屋に祖父と住む豆太は小心者で、夜は祖父を起こしてついて来てもらわないと別棟の便所に行けないほど。家の前にある豆太が「モチモチの木」と名づけたトチの木が怖いのであった。ただし昼は全く怖がらない。

そんなある晩、祖父は腹痛で苦しみだす。祖父を助けるには暗闇の中、モチモチの木の前を通り、半里(約2km)も離れた麓(ふもと)の村まで医者を呼びに行かなければならない。豆太は勇気を振り絞り医者を呼びに行き、祖父は助かる。なんとその時、モチモチの木は月を背にして輝いていた。祖父の話していた、亡き父も見たという“霜月二十日の丑三つ時にある、勇気のある者だけが見る事の出来る「山の神の祭り」”とはこのことだったのだと意味を知る。祖父は豆太からこの事を聞かされ「自分で自分を弱虫だなんて思うな。人間、優しささえあれば、やらなきゃならねぇ事は、きっとやるもんだ。それを見て他人が驚くわけさ」と述べる。しかし、祖父の病気が治ると豆太はまた元の小心者に戻り、祖父を起こさないと便所に行けないのであった。

(Wikiより引用)

作品について

『モチモチの木』は小学校3年生の教科書に掲載されており、全国的に知られている作品。

民話絵本のブームの先駆者とも言われている斎藤隆介(さいとうりゅうすけ)さんによるストーリーテリングと、切り絵作家・滝平二郎(たきだいらじろう)さんの独特な画風が見事に融合した名作です。

作者について

物語の作者である斎藤隆介(さいとうりゅうすけ)さんは『八郎』『ベロ出しチョンマ』『花さき山』『天の赤馬』『ソメコとオニ』などで知られる児童文学作家。

作画を担当したのは切り絵作家として知られる滝平二郎(たきだいらじろう)さん。斎藤さんと滝平さんはたびたびタッグを組んで創作活動をしており、『モチモチの木』以外にも『花さき山』『半日村』『ふき』などがあります。

深掘り情報

三日月バージョン

本作品の重要な要素として”霜月二十日の丑三つ時”に豆太が見た”山の神の祭り”というのがあります。

これは月を背にしたモチモチの木が神々しく輝く様子を表したものです。このシーンの絵には1971年の初版本では三日月が描かれていましたが、ある小学校教師の「丑三つ時(午前2時~2時30分)に三日月が上るのはおかしい」という指摘を受けて1977年の改訂版で絵と文が二十日の月に描き替えられました。

この改訂に滝平二郎は大変不服で、立腹した彼は三日月の原画を捨てようとしたとか。最終的には妻が止めたため、初版の原画は現在も残されており、展示会などで見ることができます。

アニメ化

1972年にはアニメ映画も制作されています。「アニメーションの神様」と賞される岡本忠成さんが手掛けた人形アニメで、和紙を使った素朴な味わいと浄瑠璃風の語り口が特徴です。

じさま仮病説

最近の小学校の授業では「じさま仮病説」なるものも登場。授業で「じさまは本当に腹痛だったのか?」という問いで討論し合い、「じさまは豆太の成長を願って具合の悪いふりをした」という意見が有力になることもあるとか。

関連グッズ

2019年にバンダイが『モチモチの木』の表紙絵をプリントしたTシャツ(3種/いずれも4,400円)を期間限定で予約販売したところ、SNS等で拡散され予想を上回る注文数に。結局2023年には4次受注を行うほどのヒット商品となりました。現在は2024年の十三次受注。

2022年にカプセルトイの「滝平二郎 モチモチの木 アクリルマスコット」が販売されたことがあります。

関連施設

『モチモチの木』の関連施設はとくにありません。

斎藤隆介さん・滝平二郎さんともに、美術館や記念館はつくられていません。

滝平二郎さんの郷里である茨城県の石岡駅には、四季のステンドグラスが展示されています。

作品の感想・口コミ

「子供の頃は表紙の絵が怖かった・・・」

「モチモチの木」に出てくるあの餅、子供の頃からずっと食べてみたかった。」

作品情報

書名 モチモチの木
作者等 作/斎藤 隆介
絵/滝平 二郎
出版社 岩崎書店
発行年月 1971年11月

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