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「シマフクロウとサケ アイヌのカムイユカラ(神謡)より」/大人におすすめのイチオシ絵本

大人にこそおすすめしたい絵本。その一つが宇梶静江さんの『シマフクロウとサケ アイヌのカムイユカラ(神謡)より』です。

アイヌ伝統の古布絵と手芸が紙面上でリアルに再現されているので、描かれた絵とは違った味わいと迫力があります。淡々としたストーリーの中で、荒々しくてちょっと子供っぽいところがあるような守り神が愛らしく見えて、愛着の持てる作品。

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ストーリー

目玉の大きなシマフクロウは村の守り神。山でのひとり暮らしがつまらなくなって浜へ降りてくると、沖の方から神の魚、サケの群れがやってくるのが見えました。

先頭のサケはシマフクロウの尊さを知っていたので、他のサケたちに「おそれつつしみなさい」と言いました。でも最後にやってきた一番どんじりのサケたちは「そんなでっかい目玉をしたものがおそれおおい神だというのか」と馬鹿にしました。

無礼なサケに腹を立てたシマフクロウがふところから銀のひしゃくを出して海の水をくむと、たちどころに海の水が半分になってしまい・・・。

作品について

アイヌ民族に伝わるユーカラ(叙事詩)に語られてきた話を、古い布にアイヌ刺繍をほどこす「古布絵」(こふえ)を用いて表現した絵本。

古布絵は慈しむように使い込まれた古い布を縫い合わせて製作されるため、温かみのある独特な味わいがあります。

作者について

作・絵:宇梶静江

詩人でアイヌ解放運動家で古布絵作家でもある宇梶静江(うかじしずえ)さん。アイヌ集落に生まれた宇梶さんは出自がアイヌであることに嫌悪感を抱いていた時期を乗り越え、作詞を通してアイヌ民族の結束を訴え、東京ウタリ会を主催するなどアイヌ民族の生活向上のために尽力しました。

アメリカ、オーストラリア、ドイツ、ロシアなど海外の先住民族とも交流しつつ、アイヌを意識した活動を続けており、アイヌ文化奨励賞、吉川英治文化賞、後藤新平賞、北海道文化賞受賞などを受賞しています。

宇梶静江さんは子どもの頃、家が貧しくて中学校へ行けなかったので、20歳になってから中学に通いました。また、古布絵を始めたのは60歳を過ぎてからです。

二児の母で、長男は俳優の宇梶剛士(うかじたかし)さんです。

深掘り情報

2023年に宇梶静江さんの生き方を描いたドキュメンタリー映画「大地よ~アイヌとして生きる~」が製作されています。

関連グッズ・関連施設

宇梶静江さんは2021年11月に生活拠点を白老町(しらおいちょう)に移し、情報発信と交流の場として新たに「アイヌ学舎 シマフクロウの家」を立ち上げました。

作品の感想・口コミ

「自然を敬い神をおそれる人々ならではの世界観。神様というのはこのように荒々しい存在なのだ、ということを教えてくれる。」

「見かけで人を判断したり、馬鹿にしたりしてはいけない。そのような愚行をするものは軽んぜられる。大事なことを学べる物語だと思う。」

「アイヌ伝統の素朴で力強い古布絵。人から人へ伝えられてきた刺繍の技術。とても味わいのある絵本の世界は民族を超えて魅力を感じる。」

作品情報

書名 シマフクロウとサケ アイヌのカムイユカラ(神謡)より
作者等 作・絵:宇梶静江
出版社 福音館書店
発行年月 2006年09月

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[この記事を書いた人] さんぽ

こんにちは、「さんぽ」と申します!
昭和生まれのシニア世代ですが、新しいことに挑戦するのが大好きです。特にVRやMRなどの最新技術には目がなく、仮想空間の可能性を探求しています。現代の技術と未来の世界が融合する瞬間に触れると、わくわくが止まりません!

一方で、歴史的な名所を訪ね歩くのも私の大きな趣味です。時代を超えて残る建築物や風景に触れるたび、先人たちの知恵や努力に思いを馳せています。旅先では、アナログ腕時計と愛用のトラベラーズノートを手に、出会った景色や感じたことを手書きで記録するのが私流の楽しみ方です。

「新しいことも、古いことも」どちらも愛しながら、毎日を楽しく過ごすことをモットーにしています。どうぞよろしくお願いします!

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