大人にこそおすすめしたい絵本。その一つが『おおはくちょうのそら』という作品です。
ハクチョウは家族単位で行動する、そのお話がよい。
鴨池のハクチョウが田んぼにいると、コレだ!っと思うことも!?
ストーリー
長い距離を移動して生まれ故郷へと戻るハクチョウたち。ひとつの家族の子どもが病気になり、動けなくなってしまう。渡りの時期になってもその場にとどまり、子どもの回復を待つ家族だったが、病状は悪化するばかり。
ついに旅立ちの時が来る。一家は子どもを残して一度は飛び立つも、泣く子どもの声を聞いてたまらずまた舞い戻る。子どもはその晩に家族に見守られながら息を引き取り、家族は再び遠い故郷へ向けて出発する。
作品について
『おおはくちょうのそら』は大人でも「一度読んだら忘れられない」「読み聞かせを聞いて号泣した」「悲しみの中に美しさを感じる」という声が多く挙がるインパクトの強い作品。
子どもの頃に読むと、あまりに切ないストーリー展開にしんみりした気持ちになってしまうかもしれません。
本作品は1988年にニューヨークタイムズ紙が選んだ”世界の絵本ベストテン”に選出されるなど、海外からも高い評価を受けています。
手島作品の中では「北の森の動物たち」シリーズ(全5作)の中の1つ。
作者について
作者の手島圭三郎(てじまけいざぶろう)さんは北海道在住の版画家・絵本作家。中学校教師を20年務めた後に木版画家として独立した方で、主に北海道の生き物をテーマにした作品を手掛けています。
手島さんの版画は力強さと優しさを兼ね備えた味わい深い画風が人気で、『きたきつねのゆめ』『しまふくろうのみずうみ』『おおはくちょうのそら』『くまげらのもり』など注目作が目白押しです。
作品には 「カムイ・ユーカラ全5巻」 「手島圭三郎の幻想シリーズ全3巻」 「北の森の動物たちシリーズ全5巻」 「いきるよろこびシリーズ全15巻」 「大自然のいのちの物語シリーズ 」 があります。
『しまふくろうのみずうみ』で日本絵本賞受賞、『カムイチカプ』 で厚生省児童福祉文化
奨励賞受賞、 『きたきつねのゆめ』 でイタリア・ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞しています。
また『きたきつねのゆめ』では ’87 ニューヨークタイムズ選 世界の絵本ベストテン に、 『おおはくちょうのそら』 では ’88 ニューヨークタイムズ選 世界の絵本ベストテンに選ばれました。
北海道紋別市出身で江別市在住。平成29年北海道功労賞、平成30年度地域文化功労賞を受賞しています。
手島さんは2021年、40作目となる『きたきつねとはるのいのち』の刊行を節目に創作活動から引退しました。
深掘り情報
NHK日曜美術館にて2021年10月に放送された「北の息吹を刻む〜絵本作家・手島圭三郎 最終作へ〜」の番組内で本作品も紹介されています。
2011年に出版された「うごくDVDえほん」シリーズ(絵本塾出版)の中に「おおはくちょうのそら」もありますが、現在入手できるのは中古品のみ。
イベントとして原画展が開催されることがあります。原画を常設展示している施設はありません。
手島さんが在住する江別市の旧町村農場や大麻公民館には、手島さんの版画作品が展示されています。
関連グッズ
手島圭三郎さんの版画作品は摺師工房の竹芳洞にて取り扱われており、通信販売もされています。
関連施設
関連施設はありません。
作品の感想・口コミ
「しばらく涙が止まりませんでした。」
「白鳥が湖岸に集まっているのを見ると、手島圭三郎さんの「おおはくちょうのそら」を思い出す・・・。」
「読み聞かせしてて、泣きそうになります。」
「こんなに何回も涙が出てしまう本が他にあるだろうか・・・」
作品情報
書名 | おおはくちょうのそら |
作者等 | 作/手島 圭三郎 |
出版社 | 絵本塾出版 |
発行年月 | 2015年1月 ※1983年2月福武書店 |
大人におすすめの絵本、現在30冊です。byきみ子 満月をまって(作/メアリー・リン・レイ 絵/バーバラ・クーニー 訳/掛川 恭子) モチモチの木(作/斎藤 隆介 絵/滝平 二郎) しまふくろうのみずうみ(作/手島 圭三郎) おおはくちょうのそら(作/手島 圭三郎) ひとりだちするきたきつねのこども(作/手島 圭三郎) みずならのいのち(作/手島 圭三郎) おじいちゃんわすれないよ(作/ベッテ・ウェステラ 絵/ハルメン・ファン・ストラーテン 訳/野坂 悦子) ちびっこひぐま(著/ジョン・ショーエンヘール 訳/工藤... ”大人におすすめ”の絵本・30選 - シニアエッセンス |