大人にこそおすすめしたい絵本。その一つが『しまふくろうのみずうみ』という作品です。
普通は出会うことのない夜の話しを丁寧に丁寧に彫ってあり、シマフクロウの大きさを感じる絵になっている。
一度、本物のシマフクロウを見てみたいと思う。
このページの目次
ストーリー
北海道の山奥にある誰も知らない湖で、けものたちがねぐらに帰る時間にしまふくろうの親子が活動を始めます。しまふくろうのお父さんとお母さんは子どものために何度も交代で魚を捕りにいき、羽音も立てない静かなその往復は夜明けまで続きます。親子の情愛を描いたしまふくろうの名作物語です。
作品について
手島圭三郎さんのデビュー作。この作品で「絵本にっぽん賞」を受賞しています。版画でありながら実写に迫る迫力、絵本でありながらアニメーションのような躍動感がある力作で、手島圭三郎さんの代表作として挙げる人も多いとか。
手島作品の中では「北の森の動物たち」シリーズ(全5作)の中の1つ。
作者について
作者の手島圭三郎(てじまけいざぶろう)さんは北海道在住の版画家・絵本作家。中学校教師を20年務めた後に木版画家として独立した方で、主に北海道の生き物をテーマにした作品を手掛けています。
手島さんの版画は力強さと優しさを兼ね備えた味わい深い画風が人気で、『きたきつねのゆめ』『しまふくろうのみずうみ』『おおはくちょうのそら』『くまげらのもり』など注目作が目白押しです。
作品には 「カムイ・ユーカラ全5巻」 「手島圭三郎の幻想シリーズ全3巻」 「北の森の動物たちシリーズ全5巻」 「いきるよろこびシリーズ全15巻」 「大自然のいのちの物語シリーズ 」 があります。
『しまふくろうのみずうみ』で日本絵本賞受賞、『カムイチカプ』 で厚生省児童福祉文化
奨励賞受賞、 『きたきつねのゆめ』 でイタリア・ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞しています。
また『きたきつねのゆめ』では ’87 ニューヨークタイムズ選 世界の絵本ベストテン に、 『おおはくちょうのそら』 では ’88 ニューヨークタイムズ選 世界の絵本ベストテンに選ばれました。
北海道紋別市出身で江別市在住。平成29年北海道功労賞、平成30年度地域文化功労賞を受賞しています。
手島さんは2021年、40作目となる『きたきつねとはるのいのち』の刊行を節目に創作活動から引退しました。
深掘り情報
NHK日曜美術館にて2021年10月に放送された「北の息吹を刻む〜絵本作家・手島圭三郎 最終作へ〜」の番組内で本作品も紹介されています。
2011年に出版された「うごくDVDえほん」シリーズ(絵本塾出版)の中に「しまふくろうのみずうみ」もありますが、現在入手できるのは中古品のみ。
イベントとして原画展が開催されることがあります。原画を常設展示している施設はありません。
手島さんが在住する江別市の旧町村農場や大麻公民館には、手島さんの版画作品が展示されています。
大麻公民館に展示されている、木版画家絵本作家の手島圭三郎さんの作品です。#北海道 #江別市 #江別 #絵本 #手島圭三郎 pic.twitter.com/Ap1hl1UEl2
— はるみ│北海道「江別」の暮らし情報~グルメ・イベント・開店・ブログ│えべつ観光特使 (@Ebetsuliker) December 10, 2022
関連グッズ
手島圭三郎さんの版画作品は摺師工房の竹芳洞にて取り扱われており、通信販売もされています。
関連施設
関連施設はありません。
作品の感想・口コミ
「震えがくるほど素晴らしい作品。」
「版画絵の美しさを鑑賞する絵本。」
「しまふくろうの翼、眼光、獲物をとらえる瞬間の緊張感がたまらない。」
作品情報
書名 | しまふくろうのみずうみ |
作者等 | 作/手島 圭三郎 |
出版社 | 絵本塾出版 |
発行年月 | 2015年2月 ※1982年3月福武書店 |