ぼくはもともと近眼で、最近は老視(老眼)も進んでしまったので、眼鏡を掛けたままだとスマホの小さな文字が読めなかったり、遠近のピント合わせに疲れてしまったりする。
ぼくのツレは眼圧が高いので長年に渡り眼科通いをしていたのだけれど、この間ついに目薬を処方されてしまった。
二人とも目を酷使する仕事なので、眼精疲労は当たり前。ぼくは時々頭痛になることさえある。そろそろ何とかしなくちゃと思い、いろいろ調べてみることにした。
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目の疲れが全身に影響する理由
多くの眼科医がよく言うのが、「目は脳に直結している」ということ。著書などでも「目の疲れは脳の疲れ」とか「目が悪くなると思考力も低下する」というような言葉が目に付く。
目の構造を考えれば眼神経から先は三叉神経を経由して脳にほぼ直結してるわけだし、距離も近い。目に問題が起こっていれば脳にも影響するのは当然のことなのだろう。
目を酷使することで目の周りの筋肉がこわばり、その緊張は首や肩にも伝わっていくので、肩凝りや頭痛にまで発展してしまうこともしばしば。だからぼくも目の奥が痛いなあと思っていると、じきに頭痛が起こる。頭痛がひどくなると吐き気もくる。
そうなるともう、全身病だ。
多くの眼科医によると、目が疲れるという症状は、目と目の周囲が血行障害を起こしている状態なのだという。そして近視も老視もその他の眼病も、ほとんどの場合が血行促進により症状が緩和されるとしている。
目の障害は血流障害
中高年が気にしなければならない眼病には次のようなものがある。
緑内障や白内障は中高年だけでなく、近年はどんどん弱年齢化してきているという。これらの病気も近視も老視も、血流が悪くなることで悪化する。逆にいえば血流を促進してあげることで予防することができたり、悪化を食い止めることができるそうだ。
緑内障の場合、眼圧の高さが要因の一つとされる。これは眼球内の房水(ぼうすい)がうまく流れないために起こるのだけれど、目を温めたり眼球を動かしたりすることが症状の軽減につながることも多いそうだ。血行が促進されることで房水の流れが正常に近づくらしい。
白内障の場合は水晶体の濁りが原因だが、これも血流量の不足が関係していると言われている。
近視や老視は水晶体を引っ張ってピントを調節する筋肉がうまく動かなくなることが原因だけれど、筋肉が動かないのは血行が悪くなっているせいもある。
「見えにくくなったら眼鏡で矯正すればいい」「緑内障は手術で直る」「眼圧は目薬で抑えればいい」っていうように安易に考えがちだけど、どれも結局は対処療法。もともとは血流障害なのだから、それを改善しない限り、好転はあまり期待できないと思う。
目の筋肉を動かすことで血行は良くなる
で、最近注目を集めているのが、自分で行う目のストレッチ。薬品や矯正レンズや手術のような対処療法ではなく、自分の力で目の機能を回復させる方法だ。
目薬でおなじみの参天製薬のサイトでは「目のストレッチ」の方法を写真で詳しく紹介している。
眼科医の著書の中でも目のストレッチを紹介したり、あるいは独自に開発した方法を公開したりしているものが少なくない。
以前に流行した眼球ストレッチの中には、目を直接押さえてマッサージするようなものもあったけれど、最近話題になっている目のストレッチはどれも自力で眼球を動かすストレッチなので安全だ。
目のストレッチはいろいろなメソッドがあるけれど、基本的には上下左右に眼球を動かしたり、緩急をつけて目をつぶることを繰り返したり、寄り目をしたり、遠近の対象物に交互に焦点を合わせたりすることで目の筋肉を動かすものが多い。
また、ストレッチをしやすくするために考案された絵本や写真本などもいろいろ出回っている。美しい写真を見ながらピント合わせのストレッチをしたり、幾何学模様のふちを目で追ったりしながら楽しく目のストレッチを行うことができる。
また最近では、緑内障の改善を自宅で目指せる独自のプログラムもいろいろ開発されている。投薬・手術などの対処療法に頼りたくないという人は緑内障改善プログラムなどを参考にしてみるのもいい。
入浴中に行うと効果的
目のストレッチは筋肉を動かして温めたりほぐしたりすることで血行を促進させるのが狙いなので、入浴中に行うのが効果的だ。簡単なストレッチを2~3種類覚えたら、湯船に浸かっている間に行う。
お湯の温度で温まった状態で行うことで、目の血行がさらに良くなる。あまり長くやり過ぎるとのぼせてしまうので注意。
目のストレッチの中には壁に目印を貼って目で追ったりする運動もあるので、浴室の壁に何か貼りつけておけばストレッチもやりやすくなると思う。
目を休ませる工夫も必要
現代社会はどうしても目を酷使しがちだ。モニターを見ながらの仕事は多いし、プライベートでもスマートフォンにくぎ付けだ。本当はスマートフォンなんて持たなければいいのだろうけれど、情報化社会で生きていくためにはそういうわけにもいかない。
なので、目のストレッチはもちろんのこと、日頃から予防策を講じることが大切。深刻な眼病にならないための工夫だ。
まず、パソコン仕事などで長い時間モニターに向かっている人は、ブルーライトをカットする眼鏡を着用することが必要。
ブルーライトは波長が短いので水晶体や角膜を通過しやすく、光刺激が直接網膜に到達する恐れがあると言われている。通常のブルーライトカット機能で30~50%ぐらいのブルーライトが遮蔽できると言われている。
それに加えて、目をサポートする食品やサプリメントの摂取も忘れてはならない。どの臓器でも同じだが、酷使されている臓器では酸素が大量に消費されるため活性酸素も大量に発生する。そのため、目にいいと言われている食品やサプリメントには抗酸化作用を持つものが多い。
具体的にはブルーベリーに多く含まれるアントシアニンや、マリーゴールド由来のルテイン、ビタミンA,C,EやB1,B6,B12などが注目されている。
ブルーベリー&ルテインのサプリメントは目を酷使する中高年には必須なのかも。
その他にも血行を促進させて脳の働きをサポートしてくれるイチョウ葉エキスが入ったメモリエイトや、ナットウキナーゼやカテキン,サポニンなど日本由来の健康栄養素を配合したジャパニーズスーパーフードなどのサプリメントを常備している人も多い。
異色のものではミミズ酵素というものもある。
ストレッチで全身疲労を予防
ストレッチなどで実際に目を動かしてみると、普段どれほど目を動かさないかがよくわかる。左右上下に眼球を動かすだけで結構疲れるのだ。だからこそ動かさなければならないのだということが実感できるのだけれど。
「最近目が疲れやすい」という人は、全身の疲労に発展してしまう前に、目のストレッチに挑戦してみるといいかもしれない。手軽にできる予防策としておすすめだ。
何事も試してみることから。今感じている全身の疲労回復に大きな効果があるかもしれないのだから。