いびきの悩みやトラブルって本当に多いですね。いびきをかいている人は、そのすごさが自分ではわからないので厄介です。いびきをかく方も気を使いますが、聞かされる方も安眠を妨げられるのは死活問題です。
「自分のいびきが心配で、友達と旅行に行けない・・・。」
「入院中に隣のベッドの人のいびきで寝られなかった・・・。」
でもいびきの怖さは騒音の問題だけではありません。そのいびきが怖い病気につながることも・・・。
できることならすぐにでも治したいいびき。その正しい軽減の仕方についてお伝えします。
このページの目次
一般的な「いびき」とは?
普通のいびきには「散発性のいびき」と「習慣性のいびき」があると言われています。
「散発性のいびき」はいつもかくわけではなくて、お酒を飲んだ時や疲れた時、枕の高さが合わない時や不自然な寝相で寝ている時などに一時的にかくいびきです。鼻づまりの時にも起こります。「単純性のいびき」とも呼ばれます。。
毎晩かく場合は「習慣性のいびき」ということになります。こちらは眠りにつくと必ずかくので、騒音問題になるタイプのいびきです。習慣性のいびきをかく人はいびきをかかずには眠れない場合がほとんどですが、自覚のある人はまれです。
いびきは口腔内の軟口蓋(なんこうがい)が下がって気道を圧迫することで起こります。
寝ている時に鼻呼吸をしている人は、軟口蓋が下がっても気道が確保できるため、いびきをかくことはありません。
ところが口呼吸で寝ている人の場合は違います。軟口蓋が下がることで口からの気道が狭まり、そこを無理に呼吸を通そうとするから隙間に振動が起こるのです。
この振動音は大きさにも音の高さにも個人差があります。平均で50デシベル、中には80デシベルや90デシベルの音量を出す人もいるとか。90デシベルはカラオケ店内の音や怒鳴り声と一緒だそうです。
軟口蓋が下がる原因の多くは口腔内の筋力の低下、疲労、加齢などです。それに加えて肥満傾向にある人は首周りの肉付きが原因で軟口蓋が下がりやすいと言われています。
病気としての「いびき」とは?
軟口蓋が下がることで起こるいびき以外に、何らかの病気が原因となっているいびきがあります。
睡眠時無呼吸症候群
いびきをかいているかと思うと突然呼吸が止まり、しばらくするとまた呼吸が再開していびきをかき始める、という人がいます。これは睡眠時無呼吸症候群というもので、眠っている間に何回も無呼吸の状態になる危険な病気です。
無呼吸でいる時間は数秒から数十秒で、長い場合は1分以上無呼吸でいる人もいるそうです。眠っている間に無呼吸になれば、脳は酸欠状態になりますから、健康被害は免れません。近年では高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などと関連があると考えられています。
脳の病気
「ある晩突然にひどいいびきをかき始めた」「いつものいびきと全然違う」というような場合には、脳の病気が疑われます。
よく言われていることに「突然のいびきは脳梗塞の前兆である」というものがあります。
脳梗塞に代表される脳の血管障害は、運動機能に支障をきたします。そのため普段は下がっていない軟口蓋が下がってしまうことが多いので、いびきにつながります。
これはくも膜下出血や脳出血の場合も同様です。
いびきの弊害
いびきをかくということは、睡眠時の呼吸が不自然である証拠だと言われています。呼吸がスムーズにできないまま眠っても、深い眠りには至りません。それどころか苦しい状態で無理に呼吸を続けているわけですから、逆に疲れてしまいます。
呼吸が困難な状態で眠っていると、体内の酸素が不足する危険性もあります。特に脳の酸素が不足することは大変危険です。
また、血中の酸素濃度が低くなると心臓への負担が増します。酸素が不足したまま眠っていることは心不全などの状態と同じで、本来なら酸素吸入をしてもおかしくありません。
いびきを治すには?
いびきは原因がわかれば治る可能性が高いと言われています。一朝一夕で治るものもあれば、時間をかけないと治らないものもあります。
痩せる
前述したように太っていると首周りのぜい肉が喉を圧迫するため、軟口蓋が下がりやすくなります。体重を落とすだけでいびきが治る人はたくさんいると言われています。
つまりはダイエットであり、食事制限や適度な運動による体質改善です。
肥満気味だという人は、いびきを治すためというよりも今後の健康のために体重を落とす必要があります。食事制限などを自主的に行い、不摂生を正すことが肝要です。
口体操をする
最近は誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)や嚥下障害(えんげしょうがい)の予防、あるいは喉元の鍛錬や顔の引き締めを目的とした口体操が流行しています。
口腔内の筋肉を鍛えることは、さまざまな病気や機能低下を予防する上で効果があると考えられています。軟口蓋が下がるのを防ぐ効果もあるので、いびき対策にも口体操はおすすめです。
寝る姿勢を工夫する
寝る時の姿勢を変えることで、軟口蓋が下がるのを防げることもあります。
効果がある言われているのは「枕の高さを調整する」「横向きで寝る」といった対策です。
適正な枕の高さは人によって異なりますが、高くすることで弱った筋肉をサポートできる場合もありますし、低くすることで気道が確保しやすくなる場合もあります。
枕は寝返りや首への負担などに大きく影響するので、正しい睡眠を得るためには適正な高さの枕を使うことが求められています。近年はいびきケア専用枕も開発されています。
また、横向きで寝るという対処法もあります。どうしてもいびきを抑えなければならない時などには効果が期待できます。
横向きに寝るための専用枕というものもあるので、毎日ではなくても時々使ってみるといいかもしれません。
いびき対策用サプリメントを利用する
最近ポピュラーになりつつあるのは、いびき対策用サプリメントを活用して眠りの質を高めるという方法です。
特にコエンザイムQ10が含まれるサプリメントは、抗酸化作用や血圧の調節作用、脂肪燃焼を促進する作用などが期待されます。
肥満を解消していびきを軽減させる方法は、安全で健康的な対処法として注目されています。
まとめ
ちょっと前までなら「いびきぐらい誰でもかくだろう」という感じであまり問題視されていなかったのですが、近年は「安易な考えでいると大きな病気につながってしまう恐れがある」という警告が世間に広がり、いびきをかくほうも聞かされる方も慎重になってきました。
人間関係にも影響しかねない「いびき」。健康を考えるならば、やはり放っておかずに対策を講じるべきだと思います。
毎晩聞かされているパートナーが、騒音と心配で憔悴しきってしまう前に・・・。