「マインドフルネスは本当に効果がありますか?」
「マインドフルネスを教えてくれるところを探しています・・・」
最近「マインドフルネス」という言葉がメディアに頻発するようになって、多くの人が興味を持つようになりました。
「マインド+フル」というワードから想像されるのは、「心を満たす」みたいなイメージですが・・・。
このページの目次
マインドフルネスって何?
マインドフルネスという言葉そのものは仏教の考え方から発したもので、それに近い日本語で表現すると「念」とか「気づき」にあたります。大もとにあるのは仏教における「サティ(sati)」ですが、マインドフルネス自体は宗教と切り離して考案されたものです。
マインドフルネスを身につけることを目的としたトレーニングを「マインドフルネス瞑想法」と呼んでおり、多くの場合その行為は瞑想をしているように見えます。
海外では「マインドフルネス・メディテーション」「マインドフルネス・トレーニング」「マインドフルネス・プログラム」などと呼ぶことが多いようです。
マサチューセッツ大学医学大学院教授で、同大学のマインドフルネスセンターの創設所長であるジョン・カバット・ジン氏によると、マインドフルネスの定義は次のように説明されています。
(マインドフルネスは、現在身の回りに刻々と起こる事象に対して、個人的な価値判断をすることをせず、ただ意識的に注意を向けるだけに留まる行為によって生じる意識。)
もっとわかりやすく言うと、
「マインドフルネスというのは安定した意識状態のことで、目の前にある出来事に対して偏見や特別な価値観なしに集中することができる状態」というところでしょうか。
日本仏教ではこの状態を
「何事にも惑わされない 定(じょう) の状態」
と言うそうです。
マインドフルネスは広まっているの?
マインドフルネスが大きく注目されたのは、世界の名だたる企業が社内研修でマインドフルネス・メディテーションを導入し始めたからです。
Yahoo!、Google、インテル、フェイスブック、ナイキ、ゴールドマンサックスなどの企業が社員の能力向上のため定期的にマインドフルネス・メディテーションを実施しているそうです。米海軍や国防総省でも導入されているとか。
有名人の中にもマインドフルネスを実践することで成功した人が多いという話もあります。例を挙げると、次のような人々です。
古くは松下幸之助氏やビートルズの面々なども瞑想を好んだと言われていますが、やはり意識を集中させるトレーニングとしての瞑想は、一定の効果が期待できるのは明らかなようです。
マインドフルネス瞑想法ってどうやるの?
マインドフルネス瞑想法は、世界中でほぼ共通したメソッドで行われています。もちろん瞑想している間にどのように意識をコントロールするかは自分次第なので、人によって多少の違いは生じているかもしれません。
おおむね次のように行われます。
身体を軽く揺らしながら安定する位置を探る感じで。
手の位置はどこでもいいようです。
「今吸ってるなあ」「今吐いてるなあ」「膨らんでる~」「へこんだ~」
「あ、雑念だ」「他のことを考え始めたなあ~」
「〇〇が聞こえるなあ~」「暑くなってきたなあ~」
マインドフルネスの効果は?
最新の脳科学では「ストレス軽減」「集中力アップ」「自律神経回復」が実証されたという報告も挙がっているマインドフルネスですが、実際どうなのでしょうか。
導入した企業では、社員の仕事の効率が上がるなど、実績という形で効果が表れているとか。
うつ病やパニック障害・不安障害など、ストレスによる病気の治療や予防、再発防止に効果があるとされる報告も。
実際には個人差もあり、捉え方も人それぞれだと考えられますが、例えば次のような効果がよく例に挙げられています。
「嫌なことに直面しても、『これは自分にとってうれしいことではないな』と客観的に観察できるようになった」
「以前なら腹を立てていたようなことがあっても、『これは前にも経験したことだな』と受け流せるようになった」
人間は不安を感じたり心を乱したり感情的になったりする時、ほとんどの場合過去の経験がフラッシュバックし、先入観や雑念として判断や行動に影響を与えているのだそうです。
つまり
「前にもこんなことされた」「昔こんな失敗をした」
というようなネガティブな先入観や感情に支配されないようにするのが重要だということ。
今ここにいる自分を客観的かつ冷静に見つめ、自然体で受け入れたり対応したりすることができ、ストレスを回避できるようになるという効果が、マインドフルネスには期待できます。
まとめ
「自分を見失う」という言い方を昔からしますが、ストレス社会・情報化社会では自部へ意識を向けることが少なくなっていると思われます。
常に「今自分はここにこうしている」ということを客観的に観察できれば、見失うこともなく、誤った言動に走ることもなくなるのではないでしょうか。
「今ここ」を意識することで自分を取り戻せる。
マインドフルネスにはそんな期待があるからこそ、これほど広まっているのだと思います。